2017/12/07
1月にマイナス金利の導入が決定しました。
本日の金融政策決定会合で、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)については、信託銀行経由で日銀当座預金に入る資金にはマイナス金利の適用を対象外とすることが決まりました。
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そもそもMRF(マネー・リザーブ・ファンド)とは
MRFとは
MRFとは、公社債投資信託の一種で、高格付けの短期公社債を中心に運用される投資信託です。
決して元本保証されているわけではありませんが、元本割れのリスクは非常に少ないですという特徴があります。
MRFは、元本割れしないように極めて安全に運用されている投資信託です。
過去に景気悪化局面はありましたが、その中においても元本割れをしたことは一度もない金融商品です。
毎日決算し、分配金は月末に再投資
MRFは、MMFと同じ日々決算型ファンドの一種です。
日々決算型ファンドは、毎日決算を行い分配金を計算します。そして、月末に1ヵ月分溜まった分配金を再投資する金融商品です。
ちなみに、「ダイワMRF」で3月14日時点で一万口当たりの平均分配金は、年換算で0.002円です。銀行の普通貯金よりは少しだけ良いくらいですかね。
証券会社における普通預金のような存在
多くの証券会社では、口座を開設して入金すると、自動的にMRFを買い付けすることになります。
MRFはすぐに現金化できる金融商品で、株や投資信託を購入するとその代金は、MRFを売却してあてられます。
株や投資信託を売却する場合はその逆で、売却代金でMRFを購入します。
まさに、証券会社における普通預金のような存在です。
証券会社が破綻しても全額保護される
銀行の普通預金は銀行自体が破綻した場合、預金保険制度(ペイオフ)により1000万円までしか保証されません。
それに対して、MRFは投資信託なので、預けている証券会社が破綻した場合でも、顧客の資金と証券会社の資産は分別管理されており、資金は全額保護されます。
当分はMRFは継続
1月のマイナス金利の導入の決定から、MRFの存続は危ぶまれてきました。
現に同じ日々決算型ファンドの仲間のMMFは、運用難から次々と繰り上げ償還が決定しています。
MRFは、上記で述べたように証券会社の普通貯金のような存在なので、無くなってしまうとその影響はとても大きなものになると懸念されていました。
しかし、今日の金融政策決定会合で、MRFについては、信託銀行経由で日銀当座預金に入る資金には、昨年の残高を上限にマイナス金利の適用の対象外とすることが決まりました。
昨年の残高までという上限付きですが、最低でも0%の金利が適用されるそうです。
これは、MRFの運用にとって大変な助け舟で、MRFの運用対象である高格付けの短期公社債は、次々と極低金利や場合によってはマイナス金利になっています。
今回の決定で、マイナス金利の投資はせずに、余ったお金はとりあえず日銀に預けておけば、お金は減ることは無くなります。
以上のことから、当面はMRFは継続すると考えられます。もちろん分配金が劇的に伸びることはなさそうですが、銀行の普通貯金+αくらいで落ち着くと思います。
ペイオフ対策として優秀
MMFが無くなってしまいそうな現在、MRFはペイオフ対策の候補の1つと言えます。
- 換金性に優れる
- 普通貯金よりは分配金(利息)が高いことが多い
- 証券会社が破綻しても、資金は全額保護される
- 元本割れのリスクは極めて少ない
- 分配金が、株や投資信託の損と通算可能
- 当面は無くなることはない(←new!)
ペイオフ対策の1つとして、十分に検討の価値があります。少なくとも現金でタンス貯金よりは、圧倒的にリスクが少ないです。
まとめ
MRFについて、そもそもの解説や今日の金融政策決定会合の影響を見てきました。
MRFは、当面は無くなることはないと考えられます。しかし、昨年の残高までがマイナス金利適用外という条件がついた点や、今後もより一層の金融緩和の可能性が日銀総裁によって言及されている点から、またMRFの存在可否について議論の対象になるかと考えられます。
今後も日銀の動向を注視していく必要があります。