2017/12/07
NISAや確定拠出年金、ここ何年かで投資というものが身近な存在になってきました。
そんな中で、投資信託というのは株や債券に比べて、なんとなく分かりにくい金融商品ですよね。
株は、毎日のニュースで日経平均や各会社の株価が上がった下がったと報道されています。
債権は、代表的な国債について社会の教科書で勉強した方もいるかと思います。
では、投資信託は?
当記事で、そもそもの投資信託を解説していきます。
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そもそも投資信託とは
そもそも投資信託とは何のか、投資信託協会のホームページに以下のように記されています。
「投資信託(ファンド)」とは、一言でいえば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」です。
例えば、トヨタ自動車の株式を大勢の人で買う事で考えてみます。
2016年1月25日の終値で、トヨタ自動車の株価は6,824円です。単元株数が100株なので、最低682,400円のお金が必要です。
なかなか大きい金額です。そこで7人が1人10万円ずつ出し合ってトヨタ自動車の株を購入しました。
もしこれが株価が10,000円に値上がりして売却した場合、儲けが317,600円出ます。これを7等分して、1人45,371円の儲けとなります。
これが投資信託のそもそもの仕組みであり、メリットの一つと言えます。
分散投資が出来る
分散投資、よく聞く言葉ですよね。分散投資とは、色々な金融商品に投資することで、リスクを分散する事です。投資信託では、これを簡単に実現できるもメリットです。
一つの株や債券に集中して投資すると、損する時はその額が大きくなりがちです。それを様々な株や債券を購入することで薄める事が出来ます。
これも例で考えてみましょう。
500万円の資金で投資するとした場合で、Aグループはトヨタ自動車株のみを購入、Bグループはトヨタ自動車株とゆうちょ銀行株を半分ずつ購入したとしましょう。
(2016年1月25日の終値で、トヨタ自動車の株価は6,824円、ゆうちょ銀行の株価は1,492円)
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Aグループ:トヨタ自動車 700株 4,776,800円 Bグループ:トヨタ自動車 400株 2,729,600円 + ゆうちょ銀行 1400株 2,088,800円 |
その後、トヨタ自動車株が6,000円に値下がり、郵貯銀行が1,550円に値上がりした場合、以下のようになります。
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Aグループ:576,800の損失 Bグループ:248,400の損失 |
分散投資したことで、損失が軽減されたことが分かります。
分散投資するためには、最低投資価格が決まっていることや数多くの金融商品があることから、普通であれば大きな資金が必要です。しかし投資信託を利用することで少額でも投資信託をすることが可能になります。
投資しにくい金融商品にも投資できる
例えば新興国の企業の株式を購入しようとした場合で、言語もわからない国に口座を開く必要があることもあります。もし何かトラブルがあった場合、個人での解決には限界があります。
もしその新興国の株式を組み込んでいる投資信託があれば、その投資信託を購入することで煩雑な手間を省くことができます。
こうした投資しにくい金融商品にも、投資信託を通して気楽に投資が出来るのもメリットの一つです。
投資信託のデメリット
一方で投資信託のデメリットを見てみましょう。
一般的に投資信託は、手数料が株や債券に比べとかかります。それは、上記メリットを実現するための手数料と言えます。
- 多くの人からお金を集める手間
- 集めたお金をどの企業に投資すべきか、どのくらいの割合で投資すべきかを調査・検討する手間
- 投資環境が整わない国でなるべく安全に投資を行う手間
上記のような手間にお金がかかるのです。
購入時にかかる購入代金の数%の販売手数料や、運用時にかかる運用金額の年数%の信託報酬、投資信託によっては解約時にも手数料が取られるものもあります。
当然、より多くの手間がかかる投資信託の方が手数料がかかります。
私が初めて投資信託に投資した時、上記のような知識が全くありませんでした。そのため、短期間で別なファンドに買い換えたり、よく比較もせずアクティブ型のファンド(市場の平均よりも上回る運用成績を目指す、手数料が高め)を買ったりしていました。結果、ちっとも儲かりませんでした。
まとめ
まとめると、投資信託には、少額から投資が出来る、分散投資が出来る、投資しにくい商品にも投資が出来るというメリットがありますが、それを実現するための手数料がかかるというデメリットもあるということになります。
上記メリットデメリットを理解することで、どの金融商品を購入するか、またはどの投資信託を購入するかという時に、無駄な費用をかけなくて済むので、ぜひ覚えておきましょう。
参考(外部リンク)
一般社団法人 投資信託協会