2017/12/07
NISA、2018年から制度変更があります。1つは積立NISAです。比較的大きな制度変更ですので、注目されています。
その陰で、非課税期間終了時のロールオーバーが全額可能になる制度変更も合わせて行われます。
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非課税期間終了時のロールオーバーが全額可能に
NISAは投資が5年間非課税になる制度です。
これまでは、5年経過後はその時点の時価で、通常の口座(一般口座or特定口座)に保有株を移管するか、5年後の非課税枠を使用して非課税を継続する(ロールオーバー)か選択することとなっていました。
その際、時価で非課税枠である120万円を超えていた場合、120万円分しかロールオーバーできず、あふれた分は通常の口座に移管する必要がありました。
今回の非課税期間終了時のロールオーバーが全額可能にする制度変更は、あふれた分もロールオーバー可能にするというものです。
具体的には、120万の枠を使い切って、あふれた分も含めた全額をロールオーバーできるようになります。
これまで
2014年に100万円でNISAで投資
2018年末に時価で130万円
2019年初に120万円分はロールオーバー、10万円分は通常口座に移管
(2019年のNISA投資可能額残り0円)
新制度
2014年に100万円でNISAで投資
2018年末に時価で130万円
2019年初に130万円分はロールオーバー
(2019年のNISA投資可能額残り0円)
全体的には、利用者にって有利な制度変更ですね。利用者が損するケースはないです。
(2017年11月05日更新)
つみたてNISAは、投資が20年間非課税になる制度ですが、今のところ20年後のロールオーバーは考慮されていません。期限が近付いてきてから決められるのだと考えています。
ジュニアNISAも同様
これまでは成人のNISAについて例をあげて説明してきましたが、この制度変更はジュニアNISAについても同様です。
ジュニアNISAは未成年者が対象で、非課税枠が80万円、非課税期間が5年の制度です。
これまで
2016年に80万円でジュニアNISAで投資
2020年末に時価で100万円
2021年初に80万円分はロールオーバー、20万円分は特定口座に移管
(2021年のNISA投資可能額残り0円)
新制度
2016年に80万円でジュニアNISAで投資
2020年末に時価で100万円
2021年初に100万円分はロールオーバー
(2021年のNISA投資可能額残り0円)
投資して5年後、成人のNISAの対象となっている場合でも、その成人のNISAの枠(120万円)を超えてロールオーバー可能です。
積立NISAへのロールオーバーは不可
(2017年11月05日更新)
気を付けないといけない点としては、通常のNISAから2018年から始まるつみたてNISAへのロールオーバーは不可という点です。(通常NISAとつみたてNISAの併用は不可)
例えば、2014年に投資した通常のNISAは、2018年末まで保持し続けると2019年の枠を利用してロールオーバー可能ですが、2019年につみたてNISAを選択していると、ロールオーバーが出来ず、特定口座や一般口座へ移されてしまいます。
まとめ
NISAの非課税期間終了時のロールオーバーが全額可能になる制度が変更となります。利用者にとっては、メリットしかない変更です。
ただし、通常のNISAからつみたてNISAへのロールオーバーが不可という点は、注意しておきましょう。
関連(2018年からのNISA制度変更)