2017/12/07
ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)には、払出制限といって制度上3月31日時点で18歳である年の前年12月31日までは、お金を引き出すのに制限があります。
ではその制限とは何なのでしょうか。また、例外はないのでしょうか。
本記事では、ジュニアNISAの払出制限について解説します。
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ジュニアNISAの払出制限とは
ジュニアNISAには、払出制限といって、3月31日時点で18歳である年の前年12月31日まで(通常は高校3年生の12月31日まで)は、お金を引き出すのに制限があります。
払出制限中にお金を引き出す場合には、ジュニアNISA口座自体を廃止する必要があります。
廃止する場合には、「やむを得ない事由」がある場合を除いて、ジュニアNISA口座で過去発生した譲渡損益や配当益を計算し、利益に税金がかけられます。(所得税15.315%と地方時5%)
そして税金が引かれた金額が手元に戻ってきます。
やむを得ない事由とは
では、「やむを得ない事由」とはどうような事由でしょうか。
それは以下の6つになります。
- 未成年者口座開設者の家(開設者、または開設者と生計を一にする親族が所有している場合に限る)が災害により全壊、流失、半壊、床上浸水等の損害を受けた場合
- 未成年者口座開設者を扶養者(通常は親)が、生計を一にする親族(通常、一緒に住んでいる家族)のために支払った医療費の合計額が、年中に200万円を超えた場合
- 未成年者口座開設者の扶養者が配偶者と死別や離婚した場合、配偶者が生死不明となった場合で、寡婦(夫)になった場合や、なることが見込まれる場合
- 未成年者口座開設者、または扶養者が特別障害者になった場合
- 未成年者口座開設者の扶養者が、特定受給資格者または特定理由離職者になった場合
- 未成年者口座開設者の扶養者が、経営の状況の悪化によりその営む事業を廃止した場合
まとめると、経済的に困窮するような事由があった場合に、税金を引かれずに口座閉鎖&お金の引き出しが出来ます。
やむを得ない事由が発生した時の手続き
上記、やむを得ない事由が発生し、お金を非課税で引き出す場合は、「未成年者口座管理契約に係る災害等事由についての確認申出書」という書類と添付資料を税務署に提出する必要があります。
税務署に書類は、税務署に置いてあるのでもらってくることも出来ますし、下記のサイトからダウンロードして印刷することも出来ます。
国税庁ホームページ
また添付書類は、共通で、未成年者口座開設者の住民票の写し(世帯全員が記載されたもの)と扶養者の前年の源泉徴収票等の扶養者であることの証明できるものが必要になります。
そのほかに事由によって、以下の添付書類が必要です。
- 罹災証明書等(災害により家屋が損害を受けたことの証明できるもの)と、不動産登記簿謄本等(被災した家屋の所有者の証明できるもの)
- 医療費の領収書等(医療費が200万円超であることの証明できるもの)と、保険金等の支払通知書(補塡された保険金等の額の証明できるもの)
- 戸籍謄本、戸籍抄本等(離婚により寡婦等に該当することとなった旨の証明ができるもの)や、死亡届の記載事項証明書等(死亡により寡婦等に該当することの証明できるもの)
- 身体障害者手帳等(特別障害者に該当することとなった旨の証明ができるもの)
- 雇用保険受給資格者証等(特定受給資格者、特定理由離職者に該当することとなった旨の証明ができるもの)
- 個人事業の廃業届出書(事業を廃止したことの証明ができるもの)
上記を税務署に提出し受理されると、「未成年者口座管理契約に係る災害等事由の確認申出に対する確認の通知書」という書類がもらえます。
その書類を口座閉鎖届(ジュニアNISAを開いている金融機関からもらう)と合わせて、金融機関に提出します。
はっきりいって、かなりめんどくさいです。
大変なことが起こってお金が緊急で必要な時に、これだけで書類を集めて手続きするのは、正直しんどいと思います。
どれだけ税金が取られるか考えてみよう
そこで、どれだけの利益が出ているのか、一度考えてみることをオススメします。
NISAのみで取引していたのであれば、(現在の資産 - 預けた金額)×20.315% が税金です。
その金額を計算し、手続きに見合うものであると思えるなら、手続きを行い非課税でお金を引き出しましょう。
そうでなければ、税金を払ってお金を引き出すのも、ありでしょう。
また、そもそも利益が出ていないのであれば、手続きは全くの無意味なので、即座に口座閉鎖&お金の引き出しをしましょう。
まとめ
ジュニアNISAの払出制限、非課税で払いだそうとすると、それなりの理由と煩雑な手続きが必要になります。
一度立ち止まって、本当に手続きを行うだけの利益があるのか計算してみましょう。
意外と許容できる範囲に収まっていることもあるはずです。
その場合は、遠慮なく税金を払って口座閉鎖を行っちゃいましょう。
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