2017/12/07
日銀のマイナス金利の影響で、MMFや中期国債ファンドの新規買付停止が相次いでいます。
本記事では、投資対象資産による分類についてと、特に公社債投資信託の細かい分類とマイナス金利の影響を解説します。
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投資対象資産による分類
株式投資信託
株式に投資を行う事が出来る投資信託、ほとんどの投資信託がこれにあたる
公社債投資信託
株式に投資を行う事が出来ない投資信託、国債等の債券で運用を行う
不動産投資信託(REIT=リート)
不動産に投資を行う事を主とする投資信託、売却益や賃貸収入でリターンを狙う
公社債投資信託の一種、日々決算型ファンド
日々決算型ファンド(MMF、MRF、中期国債ファンド)は、公社債投資信託の一種で以下の特徴があります。
- 基準価額は、1万口当たり10,000円
- 毎日決算を行って収益を全額分配する、そのため元本割れしない限りは、基準価額は1万口当たり10,000円
- 信用度の高い債券のみを投資対象とするため、元本割れのリスクがほぼない⇒マイナス金利の影響で今後怪しい
- 毎日決算で出る分配金は、月末にまとめて再投資される(月末営業日の前営業日が約定日、月末営業日が受渡日)
信用度の高い債券のみを投資対象とするため、元本割れのリスクがほぼないのですが、以前に1度だけアメリカのエネルギー商社エンロンが、粉飾決算により破産した際に、MMFが元本割れを起こしています。
以下、日々決算型ファンドであるMMF、MRF、中期国債ファンドについて、それぞれの解説です。
MMF(マネー・マネージメント・ファンド)
短期公社債を中心に、信用度の高い債権で運用されるファンド、元本割れのリスクは少ない、30日以内に解約すると1万口当たり10円の信託財産留保額が手数料としてかかる
MRF(マネー・リザーブ・ファンド)
高格付けの短期公社債を中心に運用されるファンド、MMFに比べて低金利だが、元本割れのリスクは少ない、余資(証券会社に預けたお金で投資をしていない余裕資金)で買われていることが多い、30日以内の解約に伴う信託財産留保額はかからない
中期国債ファンド
中期国債を中心に、信用度の高い債券で運用されるファンド、「中国(ちゅうこく)ファンド」の略称でよく呼ばれるている、30日以内に解約すると1万口当たり10円の信託財産留保額が手数料としてかかる
公社債投信へのマイナス金利の影響
2016年1月29日に日銀が発表したマイナス金利の影響により、運用困難からMMF、中期国際ファンドの新規購入停止が相次いでいます。
主な運用対象である国債が更に低金利、場合によってはマイナス金利になることも予想され、運用が困難になってくるためです。
今後、MMFやMRFを始めとした日々決算型ファンドを含め、元本割れの可能性や、償還の可能性もあると考えられます。
公社債投信は、元本保証はないものの、元本割れの可能性が限りなく低い安定資産という共通の認識でした。
その影響は大きいです。貯金の代わりとして購入している人や確定拠出年金で購入している人もいます(デフォルトの購入先てあることが多い)。今後、注視が必要です。
まとめ
投資対象資産による分類についてと、特に公社債投資信託の細かい分類とマイナス金利の影響について見てきました。
特に、マイナス金利については、公社債投信への負の影響が大きいです。確定拠出年金等や、証券会社に預けている資金の余資として、知らず知らずに購入している人もいます。今後の動向に注意しましょう。
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